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アメリカの大学への入学方法・手順

更新日:2020年8月11日

本ブログでは、Community College、あるいは4年制大学への入学方法・手順について述べる。 

ここでいう”入学方法・手順”とは入学(編入)の経路を指し、”日本、或いはアメリカの教育機関からどのような経路で4年制大学にたどり着くか”という事を説明する(その他、入学基準、費用、期間等については事項を参照)。

まずは以下の図をご覧頂きたい。


細かく言えば他にもあるが、アメリカの4年制大学への入学経路としては、主だったものは以下となる。  ①日本の高等学校卒業  アメリカの4年制大学入学 ②日本の高等学校卒業  Community College入学  アメリカの4年制大学編 ③日本の高等学校卒業  アメリカの4年制大学入学  アメリカの4年制大学編 ④日本の高等学校卒業  国内大学入学  アメリカの4年制大学編入

全てにおいて、日本の高等学校卒業後すぐにアメリカ、或いは日本の大学に進学するように見えるが、これはあくまで”入学条件を満たした場合”である。 例えば、アメリカの大学に進学する場合で、英語力が高校卒業時点で入学条件に満たなかった場合、語学学校に通う事が考えられる。 その場合、以下のようなプロセスとなる。 

⑤日本の高等学校卒業  語学学校入学  大学(Community College)入学


但し、語学力の基準を満たしていなくても、条件付き入学(特定の英語のコースを取得する等)を認めている大学もあり、一概に基準を満たしていなければ語学学校に入学しなければいけないとは言えない。 

これらのプロセスを網羅的にカバーするため、以下のように入学・編入の流れについて説明する。 また、参考までに基本形として、アメリカの一般的な進学の流れについても説明する。  

①アメリカの高校からアメリカの大学へ入学(基本形) ②日本の高校からアメリカの大学へ入学 ③アメリカの大学(4年制、及びCommunity College)からアメリカの4年制大学へ編入 ④日本の大学(短大、及び大学)からアメリカの4年制大学へ編入 ⑤日本の高校から語学学校へ入学

①アメリカの高校からアメリカの大学へ入学(基本形)

上記は一般的なアメリカの高校生(アメリカの高校は4年制が多いので4年制の例を掲示)が大学へ進学するまでのスケジュールである。

アメリカの高校生は長期休暇等を利用して自身の志望する大学を訪問し、校風等を自身の目で確かめるのがごく一般的である。

高校2年次には早くも共通試験の準備に取り掛かる。 PSAT(進学適正予備試験)の準備、受験をし、SATにおける自身のレベルをある程度把握する。 

4~6月にかけてはSAT subject test(科目別)の準備、及びAP(Advanced Placement)(特定のクラスを受講し、全米統一試験”AP試験”をパスすればそのクラスの単位が大学の単位として認められる)の準備を始める。 

3年次も2年次と大きくは流れは変わらないが、SAT/ACTの受験を開始し、自身の希望とスコア等を考慮して志望校を固め始める。 

3年目に入ると願書準備、出願に取り掛かる。 願書に合わせてエッセイ、推薦状、面接等の準備も事前に必要となる。 

大まかな流れは以上だが、出願の種類が日本と異なっていて日本人には馴染みがないので、出願、及び高校最終年度のスケジュールに関してもう少し掘り下げてみる。 


アメリカの大学の入学時期は一般的に9月入学である。 Regular Admission(通常出願)の場合、志願者は12~1月(高校の最終学年)の締め切りまでに願書を提出し、各大学では願書提出を受けて、合否判定を行い、入学年の3~4月に合格を通知する。

Early Admission (ED/EA)の場合は10~11月の締め切り迄に願書を提出し、各大学が合意判定を行い、12~1月に結果を通知する。 

SAT/ACTが納得のいく点数で、どうしても入学したい大学がある場合は、合格率が高い”Early Decision(ED)”、迷いがある場合は”Early Action(EA)”、”Rolling Admissions”で出願すると良い。 これらの出願を認めていない大学もあり、またSAT/ACTが納得の行かない場合は”Regular Admission”で出願する。 

以上を踏まえると、アメリカの高校最終学年(4年生)~大学入学までのスケジュールは次のようになる。


アメリカの大学は4年制を導入している高校が多く、一般的に2年次~4年次にかけて大学入学の準備をするが、これを日本の高校に置き換えた場合、高校1年次から準備を始めなければいけない事になる。 

これに加えて、留学生にはプラスアルファでTOEFLやVISAの手配等さらに負荷が掛かってくるイメージである。 

②日本の高校からアメリカの大学へ入学

日本の高校にスケジュールを置き換えた場合、上記の表のようになる。 

日本の高校からアメリカの大学へ進学する場合はアメリカの高校から進学する場合と異なり、大学訪問は距離的に気軽に行けるものではないし、アメリカに比べて日本の高校の長期休暇は短く、キャンパスツアー等のタイミングが合わない可能性もある。 

また、日本の高校にはAPというシステムも無い。 

そして、アメリカの高校生との大きな違いはやはりTOEFLの受験の必要性だろう。  TOEFL、SAT/ACTに関して、アメリカの高校生に比べて言語面で不利なため、 TOEFL、SAT/ACTの準備は早いに越した事はない。 高校入学後すぐにでも準備を開始する事が理想である。 

これに加え、エッセイ、推薦状、面接等の準備が事前に必要であるし、日本の高校から進学する場合、当然の事ながらパスポート・ビザの申請、航空券・保険の手配、滞在先の確保等、卒業後にこうした渡航準備を行う必要がある。 

日本の高校からアメリカの大学に進学する場合、アメリカの高校生に比べてかなりの負荷が掛かる事を理解して頂きたい。 

③アメリカの大学(4年制、及びCommunity College)からアメリカの4年制大学へ編入


一般的なCommunity Collegeの進学コースであれば、入学してすぐにアカデミックアドバイザーと相談して編入する大学のターゲットを決めてしまう。 なので、入学してから直ちに自身が志望する大学についてのリサーチ、選定をする事が必要である。 

 基本的に留学生の場合はTOEFLの提出が必要となるが、編入時にSAT/ACT等を求めない大学も多い。 但し、中には(特に名門校)提出を求める大学もあるので、自身の志望校が提出を義務付けている場合は準備が必要となる。 

移行可能単位は、大学によっては入学後に面接や1学期目の成績も参考にして最終的に単位の認定を決定する場合もあったりと、入学前に何単位移行できるかを知るのは難しいが、編入後に予想と違って後悔する事が無いよう、編入前に出来るだけリサーチ等を行ったほうが良いのは言うまでも無い。 

また、この他にも推薦状や面接を義務付けている大学もあるので、その場合は事前に準備しておく事が必要となる。 

④日本の大学(短大、及び大学)からアメリカの4年制大学へ編入


全頁のアメリカの大学(4年制、及びCommunity College)からアメリカの4年制大学へ編入するタイムラインを日本の大学からの編入に置き換えるとこうなる。 

 アメリカの大学と同様、出願の際に推薦状の提出や面接を義務付けている大学もあり、その場合は事前の準備が必要となってくる。 

とりわけ、日本の大学からアメリカの大学へ編入する場合によく問題になるのが単位の移行である。 

アメリカ国内の大学間でさえ、州が違ったりすると単位の移行が困難な場合があり、特に2年制大学と4年制大学間で”Transfer Agreement”を結び、2年制大学から4年制大学への単位の移行を協定として取り決めている場合もある。 

州によって呼び方が異なる場合があり、”Articulation Agreement”, “Guaranteed Transfer”, “Direct Transfer”等と呼ばれる。 

編入元が、日本の大学(特に編入受け入れ実績の無い日本の大学)ともなれば単位の移行が比較的困難になる事は想像に難くない。 

こういった問題を避ける為には対策・準備が必要となるが、FULBRIGHT JAPANによれば、以下の対策をする事で単位認定の可能性が上がるとしている。 

志望校の編入・単位移行要項を見て、該当する単位を日本で取得する等の準備・対策が必要である。 

また、単位認定の判断材料として、単位数、成績、成績の基準等が記入された英文成績証明書(transcript)、 各科目の詳しい記述(course description)、シラバス(syllabus)等を英文で作成して送付する事も必要となってくる。 

日本の大学の情報やシステムをよく知らないアメリカの大学も多く、自分が通っている大学や授業時間数などの説明も英文で用意し、日本の出身大学で正式書類として承認してもらった上で上記の書類と共に提出するとより効果的である。

また、日本の大学・短大の中には、そのような書類を用意している学校もあり、在籍校あるいは出身校に問い合わせると良い。 

もし学校側がそうした書類を用意していない場合でも、すべて自己判断の下に独力で作 成するのでなく、教務担当者や大学の教員に相談して協力を得ながら作成・提出することで、認定される単位数が増える可能性も高くなる。



⑤日本の高校から語学学校へ入学

語学学校と偏に言っても、小規模の英会話スクールのようなものからTOEFL等の語学試験の対策を目的とした準備校のようなものまで多岐に渡り、また期間もまちまちである。 もちろん、高校卒業後に日本国内の語学学校に通い、TOEFL等アメリカの大学に入学する為の準備をした後に渡米するという選択肢もあるが、やはりアメリカの大学への進学を目的としているならば、現地の語学学校に通うのが良いだろう。 

というのも、アメリカの大学(Community College)には大抵附属の語学学校があり、語学学校に通いながら大学の授業を受講するプログラムを提供している学校もあったり、入学もスムーズ、しかも大学(Community College)に友達も出来るといった事があるので、そういった点ではメリットは大きい。 

語学学校の特徴としては以下のようなものがある。

試験・資格: 語学学校に入学するには、SAT/ACT、TOEFL等のテストは必要ない。

入学時期: 私立の語学学校の場合は大抵、月始めに入学可能である。 大学附属の語学学校も大抵3ヶ月ごと(例: 1月初旬・3月下旬・6月下旬・9月中旬)に入学可能である。

願書: 願書の締め切り等は学校によっても受講するコースによっても異入学時期によっても異なるが、目安としては入学の6ヶ月~3ヶ月前に出願するのが一般的である。  

期間: 期間もまばらであり、1~2週間程度の留学生の長期休暇期間内に通えるものや1年以上のTOEFL等の集中コースが存在する。 また、コースの修了をゴールとしているものもあれば、語学学校の”卒業”を目的としているものもある。 後者の場合、コースが修了しても次のレベルのコースにレベルアップしていき、最高レベルのコースを受講すれば語学学校を卒業できる。 

 これらを踏まえて、1例として6月を入学時期をすると、次のようなタイムラインになる。


TOEFLのスコアは語学学校の入学には必要ないが、準備はしておいて損はない。 

語学学校でもTOEFL等の英語試験、あるいは語学学校が提供する英語テストの点数によってクラス分けがされるので、卒業期間を短縮するためにも、またその後の大学進学の為にも勉強はしておいた方が良いが、入学条件ではない。 

ちなみに、以下のグラフのように、日本人留学生は”Intensive English”を勉強しに留学をしている人が多い。  つまり、語学留学のみ、或いは語学学校を経てアメリカの大学に入学している割合が他の国の留学生に比べて多い。



サマリー

本項ではアメリカへの大学への入学経路を説明する為、以下のようにそれぞれ大学や語学学校への入学方法・手順を示した。 

①アメリカの高校からアメリカの大学へ入学(基本形) ②日本の高校からアメリカの大学へ入学 ③アメリカの大学(4年制、及びCommunity College)からアメリカの4年制大学へ編入 ④日本の大学(短大、及び大学)からアメリカの4年制大学へ編入 ⑤日本の高校から語学学校へ入学

アメリカの教育機関への入学、あるいは編入という観点で見ると、1,2,5番が入学にあたり、3,4番が編入にあたる。 

入学を見ると、1番はアメリカ国内の例なので別にして、入学するまでの手順だけを見ても、2番が最も難易度が高そうである。 

高校に入学して間もなくアメリカの大学に進学する為の準備を始めなければいけない事から、国内の大学進学はしないでアメリカの大学を目指すという決断を早期の段階で迫られるので、かなりハードルが高い。

 一方で、語学学校への入学はTOEFL等もあくまでオプショナルであり、高校卒業間近まで何の準備もしなくて良いので手順の面で見ると簡単である。

 編入に関してはほぼ同等のプロセスとなるが、国内大学からの編入は以下の点でアメリカ国内の大学からの編入に比べて不利であると考えられる。

・国内にいて、大学に通いながらTOEFL、或いはSAT/ACT等の勉強のモチベーションを維持するのは難しい ・進学アドバイザーや編入を目指す学生が回りにいないので情報面で劣ってしまう ・単位の移行がスムーズに出来ず、編入後に苦労する可能性がある。 





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