海外の大学に留学経験のある方にとって、国内の学生とは違う形(海外大学留学生採用枠、キャリアフォーラム等)での就職活動となるため、情報が少なく、不安に感じている人が多いのではないでしょうか?
そこで、今回は、ボストンキャリアフォーラムや東京キャリアフォーラムなどで採用担当者として学生の採用をしていた弊団体EnablerJapanの事務局メンバーが、「採用側の視点」も踏まえながら留学経験者がESや面接でアピールすべきポイントをお伝えしていきたいと思います。
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採用担当者が海外大学の留学経験者に求めるもの
まず、採用企業が国内大学生枠と海外大学留学生枠の二つの枠を設けている理由としては、もちろん選考スケジュールが異なるということもありますが、それ以外に留学経験者に求めていることが国内大学生に求めていることと若干違うというのがあります。
下記は、キャリアフォーラムを運営する株式会社ディスコによる調査で、採用企業に対して「学生に求める資質はなにか」を聞いた結果になります。
上記を見ていただくと、日本人の海外大学への留学生に対しては、国内の大学の学生よりも語学力や異文化対応力は当然期待されているが、国内学生よりもバイタリティやリーダーシップも期待されていることがわかります。
逆に、一般常識などは国内大学の学生に比べて海外大学の留学生にはあまり期待されていないことがわかります。
このように採用担当者が留学経験者に求めることを十分に理解したうえでES対策、面接対策をすることが重要です。
留学経験者のESの書き方
ESは、採用担当者が一番最初に見る書類であり、面接の会話のもとになる大事な書類です。
ESが選考のファーストステップであり、ESによって面接に進むかどうかを判断しますし、ESによって面接前に応募者のことを事前に知ることができます。
ESで良くある質問としては、自己PRや学生時代に力を入れたことなどがあります。
また、採用担当者は、多数の学生から大量にESを受け取りますので、すべての書類にくまなく目を通すのは難しいです。
なので、「読みやすい」ESを作成することが重要になってきます。
読みやすいESとは、結論ファーストで構造的なフォーマットになっていることが必要です。
また、すごいエピソードを書かないといけないと思い込んでいる人が多いかと思うのですが、すごいエピソードである必要は全くなく、サークル、バイト、ボランティアなどご自身の経験やどんな役割を担ったかをわかりやすく伝えることが重要です。
何かを達成した、といったエピソードにするのがわかりやすいのですが、その際に、客観的にみてわかりやすい結果を書くのがいいです。(イベントの参加者を○○%向上、大会で○○人中○○位など)
わかりやすいES
留学経験者の方は、留学先でエッセイ(論文)をたくさん書いているかと思いますが、ESもエッセイと同じように構造化して書くのがよいです。
エッセイの構造としては、Thesis(主題、結論)、Body paragraph(主論を補強する事例など)、Conclusion(結論)といったパーツに分かれた構造になっています。
ESの構造もよく似ていて、結論、背景・自身の役割、問題と解決策、結果、得られた学び・会社でどう生かすか、といったようないくつかのパーツに分かれた構造に沿って書くとわかりやすいものになります。
エッセイの構造とESの構造
他の構造の例としては、PREPというフレームワークがあります。
例:「あなたの強みを教えてください」
PREP
P=Point(結論):何が強みなのか
R=Reason(理由):それを強みだといえる理由
E=Example(事例・具体例):結論を裏付けるエピソード・具体的なエピソード
P=Point(結論):その強みを入社後、どう活かしていくのか
このようなフレームワークを活用しながらESを書くことで、構造化されたわかりやすいESを書くことが可能になります。
ご参考までに、下記は、外資系戦略コンサルティングファーム、外資系投資銀行、総合商社、外資系IT企業など名だたる一流企業から複数の内定を勝ち取ったOBの方のESです↓
"私の強みは、「課題に直面したとき、問題点を浮き彫りにし、それをチームで協力して解決する」ということです。
携帯電話会社で法人営業を経験した時、最初は、私のチームの契約数が伸び悩んでいました。そこで私は、まずチームの各員が直面した問題の共有や商談のシミュレーションを実施しました。
その結果、⓵基本的な営業トーク ⓶商品についての適切なPR⓷市場開拓地域の適切化ができていない、という問題が浮き彫りになってきました。
そこで、⓵営業成績が良い人の営業方法を文書化して配布する ⓶一度断られたお客様も含めて商品やメリットを説明しなおす ⓷場開拓地域を地理的に見て最適な形に変更する、という改善策を提案して実行しました。
結果、チームの営業成績は1位となり、私個人も200人中3位の成績を達成できました。こうして培った問題を発見し、チームで解決する姿勢は、社員、クライアント、そして海外でのネットワークも含めたチームで協力し、プロジェクト単位で目的を達成していく貴社での仕事に役立つものだと思います。"
分かりやすく簡潔に書けているかと思いますので、参考にしてみてください。
留学経験者の面接対策
面接に至るまでに、履歴書・職務経歴書、ウェブテスト・筆記試験、ESなどいろいろありますが、これらはすべて面接に至る前の足切りにすぎません。
つまり、面接こそが採用プロセスの本番と言えます。
これまでは学生として試験やテストをたくさんしてきたと思いますので、面接も試験やテストと同じようなスタンスで臨む方が多いように見受けられますが、面接はあくまで人同士の会話ですので、コミュニケーションを心掛けるのが重要です。
面接官も人ですので、その企業で働きたい、会社に入って○○がしたい、という意欲を示すことが重要です。
下記は、面接において面接官が重要視しているような点です。
主体性、行動力(自ら進んで仕事をしてくれるだろうか? 他の人を巻き込みながら仕事を前に進めてくれるだろうか?)
バイタリティ、胆力(最後まで仕事をやりきってくれるだろうか? 失敗してもあきらめずに挑戦し続けてくれるだろうか?)
コミュニケーション力(仕事をするうえで回りの人と円滑に意思疎通できるだろうか?)
面接においては、ESで書いたエピソードなどをもとにさらに深堀って質問がされます。
5W1H
When: いつの話なのか? 期間は?
Where: どこで? サークル?クラブ?営利団体?非営利団体?
Who: 誰が関わっていたのか? 他のチームメンバーは? ステークホルダーは?
What: 具体的に何をしたのか? 他の手段は考えたか?
Why: なぜそのような行動をしたのか?
How: どうやって解決したのか?
Why so? / So what?
Why so?: なぜそうしたのか?
So what?: 行動した結果、どうなったのか?
基本的に、面接官というのは、このような数々の質問を通じて次の選考に進んでもらう理由、あるいは落とす理由を探していると言ってもいいでしょう。
というのも、もちろん、たくさんの評価項目が企業によって設定されていますが、簡単に言うと、面接を担当した人は、この人は○○だったので通した、○○だったので落とした、といった理由を社内で説明する必要があるわけです。
マイナスの評価(落とす理由)になってしまうのは例えば、
最低限のマナーは守れる人だろうか
コミュニケーションとれるか
社風にマッチするだろうか
第一志望だろうか
プラスの評価(通す理由)になるのは例えば、
当社に対しての熱意や当社で明確にやりたいことがあるか
コミュニケーション能力は高いか
自信を持って言える強みがあるか
どういった活躍をしてくれるのだろうか
素直な性格か
面接官が見ているポイント
今回は、留学経験者がESや面接でアピールすべきポイントや基本的なES、面接対策について記載しました。 採用担当者が海外大学の留学経験者に求めることはなにか?をきちんと理解してESを記入し、面接に臨むことが重要です。
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